【ドラマレビュー】フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ【ネタバレあり】




フィリップ・K・ディックといえば、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の作者である。
つまり、ちょー有名なSF作家だ。

アンドロイド・・・は読んだことのない人でも、ブレードランナーやトータル・リコール、マイノリティ・リポートは知っているのではないだろうか?

フィリップ・K・ディックはこれらの映画作品の原案にもなった作品を数多く残している。
現代SFにはなくてはならない人物だ。

行ってみれば、日本アニメ会の手塚治虫的な位置付けであろうか?

そんな彼の短編集から10作品がドラマ化されたのが、このエレクトリック ドリームズなのである。
もちろん、このタイトルが、アンドロイドは・・・をモチーフにしていることは言うまでもないだろう。

このドラマシリーズが、Amazon Prime限定作品として見ることができる!

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フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ シーズン1 第一話:真生活(Real Life) のレビュー

第一話:新生活(Real LIFE) あらすじ

サラは警察官。つい最近、悲惨な事件に巻き込まれ、大勢の人がなくなったその現場に倒れるも助かる、という経験をする。
そのことで、辛く、懺悔にさいなまれる日々を送っていた。

その事件の犯人を追う中で今一歩のところで取り逃がしてしまう。

この事がサラを更に追い詰める。

恋人のケイティーは自社で開発中のVR装置をサラに勧める。
『心の底からなりたいと願う生活をおくることができる』と。

心の休暇、と聞き、サラはVR装置をつけて眠る…。

VRの先にいたのは、ジョージ。男性だ。
会社を経営していて、奥さんを悲惨な事件で殺されている。
その奥さんとは・・・。

ショージが体験した事件も、サラの事件とリンクしている。

サラは混乱する。しかし、VRでのもう一つの人生をやめることができない…。
やがて、サラはサラの世界がVRの中ではないかと疑い始める…。

ジョージは生活の中で、サラの世界が真実だと気が付き、戻ろうとするしかし…。

どっちが本当の生活なのか。

どっちが本当の生活なのか。
ケイティーがサラを揺さぶりながら必死にサラの名前を呼ぶ。
モニターに映し出されたサラの脳内映像では、ジョージがポーラの説得に納得し、VRヘッドセットを踏み潰す。
医者の声「ニューロン回路が遮断されました。もう手の施しようがありません。」
ケイティー「幸せなことよ…罪なんて存在しなくても…罰してほしいと願っているのよ。」

感想(レビュー)

何ともSFチックではある。
VRが現実にある技術として、現在は身近に感じられるが、脳みそを乗っ取られてしまう感覚は多くの人が怖いと感じるだろう。

VRバカンスの実現はまだほどとおいのか。
しかし、ヘッドセットではなく、サラのように丸いコイン上のものを貼り付けるだけで脳内にアクセスできてしまうのであれば手軽にトリップできてしまう。
そんな世界が近いうちにくるのだろう。

この作品で怖いと感じたのが、『心の底から願う本当の願望がかなってしまう』という点である。

寺沢武一のコブラに似たような話があるが、そこでは、バーチャルトリップはもっとお手軽な、安全な娯楽として確立していた。

その中でコブラは、封印したはずの過去を思い出すのだ。
心の奥底に眠る記憶を呼び起こす、という点では同じなのかもしれない。

自分自身が『本当に望んでいるもの』と『幸せ』はイコールではないのか?
そんな疑問を心に残す作品であった。

ドラマ自体は、展開が急であり、主人公周りの情景や背景の説明が少なすぎると感じた。
一瞬邂逅するシーンから何が合ったのかを想像しなくてはならず、そのシーンすら短く不明瞭で判断材料にならなかった。
予算が少なすぎるのか?と勘ぐりたくなるほど動かないセット。
未来の車や生活品の素晴らしさは感じられなかった。
が。
それでも、SF好きには楽しめると言える。

ケイティー役のレイチェル・レフィブレがどこかで見たことがあると終始気になって仕方なかったのだが、アンダー・ザ・ドームのジュリアだった。
この人の顔はかなり好きだ。

タレ目でどこか愛嬌のある顔立ち。なのに力強い。

ジョージ役のテレンス・ハワードは「アイアンマン」のローディを演じている。
ぽろぽろと涙を流すシーンがとても印象的であった。

総じて、気に入った。

評価は★★★★(★★★★★が最高)

作品DATA

<タイトル>フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ シーズン1 真生活

<原題>PHILIP K.DICK’S  ELECTRIC DREAMS ”Real Life”

<制作>Amazonスタジオ (channel 4)

<放送局>Amazon Prime 限定作品

<原作>フィリップ・K・ディック

<出演者>
ジョージ:テレンス・ハワード
サラ:アンナ・パキン
ケイティー:レイチェル・レフィブレ
ポーラ:ララ・パルヴァー
コリンズ:ガイ・ブルネット
マリオ:ヤコブ・ヴァーガス
クリス:サム・ウィットワー

Directed by:JEFFREY REINER
Written for Television by:RONALD D.MOORE
Based on the short story by:PHILIP K.DICK
Executive Producer:
MICHAEL DINNER
DAVID KANTER
MATT DEROSS
ISA DICK HACKETT
KALEN EGAN
CHRISTOPHER TRICARICO
RONALD D.MOORE
MARIL DAVIS
BRYAN CRANSTON
JAMES DEGUS
KATE DiMENTO
DONALD KURT,PGA
Producer:
JEFFREY REINER
STEVEN YELL
Co-Producer:
CARRIE HOLD de LAMA
GUINEVERE McPHERSON
Associate Producer:
JORDAN MURCIA
WILL HALAS
Guest Starring:
TERRENCE HOWARD

ANNA PAQUIN

RACHELLE LEFEVRE

LARA PULVER

GUY BURNET

JACOB VARGAS
SAM WITWER

Co-Starring:
Harris  CHRISTIAN ISELY
Bakshi  ANTON BASSEY
Malia  ANU BHATT
Martin  J.SALOME MARTINEZ JR.
Cora  KARIN ANGLIN
Victor  DOMINIC CAPONE 3
Doctor  JASON SINGER

Director of PHOTOGRAPHY:PAUL SOMMERS
Production Designer:JULIE BERGHOFF
Edited by:DEBRA BETH WEINFELD
Unit Production Manager: CARRIE HOLT de LAMA
First Assistant Director:SEAN HOBIN
Second Assistant Director:MATTHEW JANSSEN
Music by:BEAR McCREARY
Costume Desingner:LAURA JEAN SHANNON
LA Casting by:
JUNIE LOWRY JOHNSON,CSA
LIBBY GOLDSTEIN
Chicago Casting by:CLAIRE SIMON,CSA
以下省略